在庫動向からみる市場予測

「田の字」を含む都心エリアでの売り手市場が続いていますが、市場全体を概観すると、微増ながら在庫が毎月積みあがる傾向があります。在庫が増加傾向に転じると、価格は弱含みに変化します。下記の在庫表は各エリアごとの販売中物件の総数の推移を示しています。この５ヶ月間で、都心４区は６０件ほど増加しました。郊外エリアでも在庫が増加するところがあります。中古マンション市場における価格は在庫の増減と連動します。同じマンションで売り物があれば競合し、価格は弱くなります。それが全域に波及すれば、買い手市場へ転換します。各エリアの在庫動向を注意深く観察していきましょう。

　ただ、在庫動向にかかわらず、各エリアの売れ筋の物件、とくに築浅のマンションはなかなか値段が下がりにくいものとも予測されます。なぜなら、京都市の新景観政策の影響で、新築マンションの供給がほとんどないという状況があるからです。デベロッパーは用地を強気で仕入れています。新築マンション価格は上昇傾向にあり、その販売動向によっては新築、中古を含むマンション市場全体が変化せざるを得ません。新築物件の売れ行きからも目が放せない状況です。