2019.09.20
公的地価の最新動向
国土交通省は9月19日、都道府県が実施する基準地価格を公表しました。朝日新聞は一面で「地方の商業地が上昇」、京都新聞も一面で「地方商業地28年ぶり上昇」と、報道しています。
この数年の地価上昇は、ホテル用地がリードしてきたものですが、訪日客の増加が全国に及ぶようになってきたことから、地方における地価上昇が注目されているわけです。
このような地方における地価上昇は、前回のバブルにつづく現象としても話題となっています。
今回の地価上昇は、過去にない長期的なものということができます。京都では新景観条例施行後の2008年以降、中古マンションの上昇から始まり、新築マンション、ホテル用地へと途切れることなく続いてきました。
都心のマンション用地、ホテル用地が昨年央にピークアウトしたことや、折から不動産融資への規制が強化されるようになり、一部にバブル崩壊の懸念も出ていました。
しかし、今回の公的地価動向は、バブル崩壊への不安を打ち消すようなメッセ―ジとなりますね。
京都では郊外住宅地価格が上昇へ
都心部の地価上昇が収まったものの、下落の気配を見せないことから、都心部に隣接するエリアや右京区、南区などの郊外地の価格に上昇傾向が見られます。これは、住宅の実需層が、都心での取得をあきらめて手ごろな価格のある周辺部に移動しているからだと考えられます。
このように、地価は調整局面と上昇傾向とが並列する極めて珍しい様相を示しています。
基準地価格の記事、興味深いのでお読みになってください。
市況レポート2019年9月20日 天野博