2020.04.14
公的地価の最新動向
本年3月の公示地価は「全国1.4%上昇」(京都新聞)「(京都の)商業地7年連続上昇」(朝日新聞)と報道されました。
まるで1990年春のバブル崩壊を思わせます。というのは、当時、地価は暴落状態になったにもかかわらず、公示地価は上がり続けたのでした。国民に全く誤ったシグナルを送ったことになります。続く1991年の上昇は言い逃れのしようがない異常なデータとして批判されるべきです。
さて、京都市の不動産価格は2018年夏にピークをうって(地価、昨年秋にピークアウト【市況レポート】)、そのあとゆるやかな下降過程に移行し、本年春はシーズンながら本格的な調整局面と見られていました。マンション価格は本年に入り「売り手市場」へ変化し、5%程度の価格調整が続いていました。この値下げは「需給関係」から生じるものでした。そのさなかで「公示地価上昇」です。
コロナ問題
「コロナ問題」ですが、この間の経済に与える影響は大きく「先安感」が売り手、買い手双方に浸透し、需給関係による調整局面から構造的変化をもたらすことでしょう。この数年の値上がりが帳消しになるような大変化に市場は身構えている様相です。
このため、市場は実需層に主役が交代します。実需むけの物件は、この間の値上がりの影響が少なかったので、比較的早く落ち着くものと考えられます。
また、収益物件の利回りもよくなるので買い手には良いチャンスとなるでしょう。
今後とも、市況の動向から目を離さないでください。
市況レポート 2020年4月16日 天野博